1.ほろよい酒場
作詞:森坂とも
作曲:水森英夫
惚れた男は 気ままな夜風
今夜はどちらの 暖簾をゆらす
空けておきます いつもの席は
「ご予約様」の 三角札が
ポツリ淋しい ほろよい酒場
水の違った あの人達も
今では気の合う お馴染み同士
口説き文句も それぞれだけど
私を酔わす 相手はひとり
あなた一色(ひといろ) ほろよい酒場
お気をつけてと 見送る路地に
よく似た人影 目で追いかける
灯り消さずに ため息ひとつ
あなたのための 人肌酒が
冷めていきます ほろよい酒場
2.ひとり酒
作詞:たかたかし
作曲:水森秀夫
あなたと肩を並べて飲んだ
お酒が恋しい 雨降る路地は
おまえと呼ばれて 抱かれた夜の
女のしあわせ お猪口についで
チビリチビリ チビリチビリ…
夜の居酒屋 ひとり酒
煙草のけむりがこの目にしみる
あなたの匂いを 懐いだすから
いつかは一緒と こころにきめて
捧げてつくした 女のなみだ
チビリチビリ チビリチビリ…
夜の居酒屋 ひとり酒
お酒のせいで泣くんじゃないわ
寂しいこころを わかってほしい
かなわぬ夢でも 生きてるかぎり
女の春を待つ 路地裏あかり
チビリチビリ チビリチビリ…
夜の居酒屋 ひとり酒
3.港恋唄
作詞:吉岡治
作曲:弦哲也
指でおくれ毛 撫でつけて
紅もひと刷け 冬の花
あなた早く 早く気付いてよ
「おし乃」という名の 灯りをつけて
命焦がして 待っている
港恋唄 おんな唄
口は荒いが 優しくて
二人似たよな 傷がある
あなたぐっと ぐっと呑み干して
昔のことなら 何処かに預け
酔いにまかせる 夢一夜
港恋唄 おんな唄
坂を下れば かもめ島
春が来そうに 光る海
あなたがきっと きっと帰ってよ
約束ばかりが するりと逃げる
そんな気がして 泣きそうな
港恋唄 おんな唄
4.浮世坂
作詞:仁井谷俊也
作曲:水森英夫
四角四面の 世間と言うが
胸突き八丁の 浮世坂
くよくよするなよ じたばたするな
人生勝負
一の苦労を 百と積み
夢に向かって 生きよじゃないか
泣いた数だけ 綺麗になれる
涙はおんなの 化粧水(みず)
くよくよするなよ めそめそするな
人生勝負
ちょいとお侠(きゃん)な その笑顔
明日(あす)の幸せ 掴(つか)もじゃないか
桜花(はな)は散っても 季節が来れば
蕾(つぼみ)を咲かせる もとの枝
くよくよするなよ おたおたするな
人生勝負
向かい風など 吹き飛ばし
出世樽酒 飲もうじゃないか
5.恋ざんげ
作詞:吉岡治
作曲:猪俣公章
あれは七月 蝉しぐれ
瀬音したたる いで湯宿
ふたり渡った あの橋は
女と男の 紅(あか)い橋
あゝシュルル シュルル シュルル
明かりをつけても 暗すぎる
あゝシュルル シュルル シュルル
淋しさばかりが 群(むら)がって
夜更けのテレビは 蝉しぐれ
いまは三月 風の笛
みぞれ窓うつ 港宿
砂に埋(うも)れた あの難破船(ふね)は
思い出ばかりの 恋ざんげ
あゝシュルル シュルル シュルル
春だというのに 寒すぎる
あゝシュルル シュルル シュルル
海峡こぎだす 櫂(かい)もなく
夜更けのテレビに 雪が舞う
あゝシュルル シュルル シュルル
手酌(てじゃく)のお酒は 酔いすぎる
あゝシュルル シュルル シュルル
帯とく音さえ せつなくて
夜更けに泣いてる 恋ざんげ
6.横顔慕情
7.十六夜セレナーデ
8.満月
作詞:たきのえいじ
作曲:杉本眞人
燃える西陽を 浴びながら
真っ赤に染まる 竹の海
まるで神楽か 浮世絵か
人肌恋しい 隠れ茶屋
待ちましょう 耐えましょう
報われないなら それもいい
窓に満月 この身を焦がし
あなた浮かべて 紅をさす
愚図る心を なぐさめる
お酒の辛さ ほろ苦さ
軒に張りつく 風の群
涙が目尻を 駆けていく
抱き寄せて ねじ伏せて
素肌がきりきり うなる程
満ちて満月 あなたが欲しい
寝物語が よみがえる
待ちましょう 耐えましょう
報われないなら それもいい
窓に満月 この身を焦がし
あなた浮かべて 紅をさす 紅をさす
9.忍ぶ雨
作詞:たきのえいじ
作曲:市川昭介
人目にふれる 花よりも
影で 寄り添う 花がいい
めぐり逢わせの ふしあわせ
なぜに 私についてくる
夢待ち 浮き草 忍ぶ雨
あなたを真似て 飲むお酒
胸の芯まで しみてくる
雨のすだれの 向こうには
きっと ふたりの 明日がある
さみだれ 浮き草 忍ぶ雨
うわべで飾る しあわせは
しょせん ふたりの 身につかぬ
女ざかりの 短かさを
あなた その手で 抱きしめて
夢待ち 浮き草 忍ぶ雨
10.港町運河
11.女のひとりごと
作詞:吉岡治
作曲:水森英夫
幸せさえぎる 冷めたい雨に
何度もつまずき 消えた恋
男もつらい 女もつらい
泣いたそばから また惚れる
そうゆうもんなんですね 女の恋は
なんにもいらない 指輪もいいわ
あなたの背中が 好きだから
心の傷は どちらも同じ
好きになったら 止まらない
そうゆうもんなんですね 女の恋は
女の一生 男できまる
綺麗なその眸を 信じたい
あなたの道は ふたりの道よ
愛し尽くして どこまでも
そうゆうもんなんですね 女の恋は
12.京都二年坂
作詞:坂口照幸
作曲:大地良
しょせん女は 裏方さんや
男はんとは 器が違う
あなた叱って おくれやす
女 細うで 店のれん
うちにゃ重たい
京都 つれづれ 二年坂
バカな女の 詮(せん)ない愚痴と
胸にしまって 両手を合わす
秋を信じぬ 蝉しぐれ
暮れてゆく空 見上げれば
時の流れに
京都 しみじみ 立ち尽くす
一度失くして 身につくものよ
そうよ其処(そこ)から 見つけたものは
あなた見ていて おくれやす
花は石をも 割って咲く
うちが明日呼ぶ
京都 つれづれ 二年坂
13.夢追い海峡
14.鳴門海峡
作詞:吉岡治
作曲:水森英夫
髪が乱れる 裳裾(もすそ)が濡れる
風に鴎が ちぎれ飛ぶ
辛すぎる 辛すぎる 恋だから
夢の中でも 泣く汽笛
鳴門海峡 船がゆく
待てといわれりゃ 死ぬまで待てる
想いとどかぬ 片情け
この命 この命 預けてた
夢のほつれを たぐっても
鳴門海峡 波が舞う
潮が渦巻く 心が痩せる
頬の涙が 人を恋う
紅の 紅の 寒椿
夢の中でも 散りいそぐ
鳴門海峡 海が鳴る
15.戻り川
作詞:吉岡治
作曲:市川昭介
涙みせたら あなたが困る
いいの いいのよ
眠ったふりして 闇の中
足音が 遠ざかる
追いかけて 風が哭く
愛しても ふたり渡れない
戻り川
燃えてせつない 命火だけど
いいの いいのよ
あなたに抱かれる それだけで
愛しさが 憎しみが
こみあげて 走る爪
ひとりでは 生きてゆかれない
戻り川
幸せは うばえない
ひとすじに 待ってます
愛しても ふたり渡れない
戻り川
16.夏子音頭
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